バックパック痛

ユウ_zetterlund

2008年06月04日 12:33



最近アメリカでBackpack Pain(バックパック痛)という言葉が頻繁にメディアに登場します。

これは、アメリカの子供たちの間に蔓延する症状のことで、日本風に言い換えれば“ランドセル症候群”といったところでしょうか。これはどんなものか、というと背中の歪みから発生する痛みのことで、統計的には小学生から高校生までの子供の、なんと96%からこの症例が観察できたともいいます。

教科書検定の存在しないアメリカの教科書は、その厚さがハンパではありません。一冊一冊がすべて図鑑やコンパクト百科事典ほどもあるハードカバー。これを学生は学校から一年間借りるシステムになっていて(新しい教科書を購入する学校も存在します)、裏表紙には歴代の使用者の名前を記入します。貸し出し方式というものです。子供たちは来年の後輩のためにページを折ったり、アンダーラインを引いたりせず、この教科書をとても大切に扱います。

この分厚くて重たい教科書数札に加えバインダーノートや副読本など・・・これらをバックパックに詰め込んで通学します。LLBeanなどのアメリカブランドのアウトドア用品通販のカタログに、大きなバックパックが、通学のイメージとともに必ず掲載されていますが、これはこうした重たい装備のためのものです。

総重量は軽くても10キロ、たいていは14~15キロ程度になります。小さな小学生のうちからこれを背負うのですから、青年になった頃バックパッキングするようになるのもわかる気がします(^^;;

これを日常的に背負っていることと、あるいは高学年になって片掛けで歩くようになることで背骨が歪んだり、肩が慢性的に痛むようになってしまいます。こうした事態に対して米国カイロプラクティック協会・米国作業療法学会では背負う重さは体重の10%までというガイドラインを発表しています。40キロの小学生だったら、背負うのは4キロまで、ということですね。

そういえば近頃、キャスター付きの軽量バックパックを曳いている方をよく見かけますが、背負うよりはるかにラクですよね。

バックパック痛にならないためには、できるだけ軽量化するのは当然として、パッキングの際に左右の重量配分と片掛けはしない、ということはとても重要です。山歩きするのであれば一番下にシュラフや雨具以外の衣類をパッキングして上を重くするのが歩きやすくするコツ。くれぐれも片掛けして脊椎に負担をかけないようにしなければ・・・と思ってしまいました。


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