てっぽう虫
先日のこと。
ひしさぶりにお寿司にしようということで、寿司ではピカイチの美味さのヤマト水産の握りを買って家に向かって車を走らせた。千葉県の茂原を走っていると回転寿司の路面店が数多い。以前、人があふれる”かっぱ寿司”は美味いのかな?と思い、入ってみた。しかし、2皿ばかり食べたところで、そのあまりのマズさに腹が立ってきた。一皿が98円?100円だったか、そんな安さを売りにしている店で、味は二の次。安いだけという、まったくもって、けしからぬ店だった。こんなまずいものを子供に食べさせていたら、ほんとうに美味いものがわからなくなる。かっぱ寿司は日本の食文化の敵のような店だ。
しかし、これだけ多くの人が入っているところを見ると、味よりも安さを選ぶ人がこれほど多いのか、という気分になり無性にやりきれない思いばかりが胸中に渦巻く。そんな中、回転寿司チェーンなども経営するヤマト水産の美味さは別格。さすが鮮魚、活魚、マグロの卸をしている水産会社ならではの誇りある味だ。(外房のやまと水産、とは別の会社です。カタカナでヤマト水産です)
で、途中の雑木林で、妻とお茶でもしようと、エスビットとシェラカップを持って林の中へ。お気に入りの石に腰掛けてエスビットに点火。そのとき、横の木の根元に木屑が見えた。もしや、と思って木の皮を剥がすと案の定、丸々と太った“てっぽう虫”がいた。これはカミキリムシの幼虫。
僕は指でつまみ出し石の上に置き、ポケットから取り出したオピネルでサクサク輪切りに。それのひとつを食べると、美味いのなんの。フランス料理店で食べるフォアグラなんて目じゃないウマサだ。しかし、妻は「やめてよ」と言うと怒って立ち去ってしまった。
仕方ないので、口に残ったてっぽう虫の皮をぺっと吐き出して、コーヒーは諦め車に向かった。もしも、近い将来、食糧難で餓死が迫ったなら、山野にあるこの素晴らしいご馳走を、人目を気にせず気兼ねなく食べられる時代になるはずだ。個人的に、食べる気がしないものは“シャコ”。死骸に食らいつくあの姿を見てから食べたくなくなってしまった。それにくらべ“てっぽう虫”は木を食べおがくずの糞をする。◆関連記事◆キャンプで出会う”こわい毛虫・かわいい芋虫・おいしい芋虫”
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