千見おやきセンター

ユウ_zetterlund

2008年08月27日 21:52

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信州での楽しみのひとつに“おやき”がある。

ナス、切干大根、野沢菜などにひと工夫を凝らした具材を皮で包んだものに焼きめをつけてから蒸して仕上げる郷土料理。信州の街道を車で走りながら、注意して家並みを眺めていると、“おやき”と書かれた小さな看板がけっこう目に付く。こうした看板を見ると、僕は軒並み立ち寄って、できたての“おやき”をひとつ・ふたつと買い入れてしまう。

中には、おばあちゃんが独りで切り盛りする家屋といっしょになった小さな店があたりまえにあったりして、店先での何気ない雑談がとても楽しい。おばあちゃんが若かりし頃、避暑に訪れた旧制高校の男の子がとても素敵だった話などを、まるで少女のように頬を染めながら話してくれたこともあった。

そんな“おやき”道中で、通算して、おそらくいちばん多く“おやき”を買い入れた店がここ。白馬や大町に向かうときに使う県道長野大町線の街道沿いにある店「千見おやきセンター」だ。

味は独特で、人によって好き嫌いはあると思うけれど、僕にとっては絶品の類。特に大好きなのが“切干大根”のおやき。コクがあり、甘辛くて、じんわりと旨みの後味が後をひく。

今年、僕がここを訪れると、写真の方に「どちらから」と聞かれた。「千葉からです」と答えると、彼はニッコリと微笑んで「私は昔、千葉に住んでいたんですよ」と話しはじめた。僕が住んでいるのは外房だと教えると、彼は都心に近い「柏」に住んでいたらしい。どうして信州のここに居るのか、それを聞くのを忘れてしまったが、ストレスもなくマイペースで気持ち良さそうに働くその姿を見ていると、この何気ない毎日が幸せなのかもしれないな、と思った。

さて、おやきのラインアップ。あずき、ニラ、切干大根、かぼちゃ、しめじ野菜、なす、野沢菜の合計7種。値段は1個140円也。うっすらと甘みを加味した皮のモチモチした食感など、これはクセになりますよ。

千見おやきセンター
場所:長野県大町市美麻千見28728-1
電話:0261-29-2271
営業:8時~17時
定休:土・日・祝日


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