アルペンキャンプ【雷鳥沢テント場】
(クリックで拡大します)
※追記加筆:19:22
夏だからアルペンキャンプ
シンプルキャンプのロケーションで最も気分いい場所のひとつは、なんといってもアルペンです。上高地の河童橋~徳沢など、いちどキャンプしてしまうと、その魅力の虜(とりこ)になってしまうに違いありません。それほど、他のキャンプ場の環境とは一線を画するロケーションです。
しかしアルペン要素としては、まだまだ序の口で、さらに別天地を体験できる場所が数多くあります。ちょうと登山との境界線にポジションする類のテント場(天場・キャンプ場)です。たとえば涸沢のテント場、薬師岳のテント場・・・などなどですが、僕が登山をしないまでも、これまでと違った極上のアルペンキャンプをしたい、という方にオススメしたいのが、立山の剣の麓です。
写真に写っているのがそれです。8月の剣岳懐の雷鳥沢のテント場(天場)。ずーっと若い頃から登山をしてきて、70歳を超えて剣に登りたいという初老の皆さんとともに数年前の8月に出かけた際の写真です。女性の背後に小さく色とりどりのテントの花が見えますよね。きれいですね。これは、まさにグリンデンワルトかとみまごうばかりの日本離れした景観。
僕は雷鳥沢のテン場でテント泊。彼女らは山小屋(雷鳥沢ヒュッテ)に滞在しました。このとき台風のため、前夜は山岳ならではの、ものすごい暴風雨が吹き荒れました(使用テントはMOSS)。山小屋には温泉もあります。しかし台風による暴風雨の影響で出なくなってしまった、と彼女らは残念そうに話してくれました。
もくもく湧き出る硫黄臭の中、雷鳥沢のテン場までは登山要素はあまりありません。扇沢の駐車場に車を置いて、そこからトロリーバス→ケーブルカー→ロープウェー→トロリーバス、というように、ほとんどが連絡用の乗り物です(金額詳細は忘れましたが、交通料金は高いです)。途中で黒部ダムの上を徒歩で横切りますが、ここまで来るとほんとうにアルペン気分満点です。
加筆:扇沢から室堂までは交通費が高く、驚きます。お金をかけずに時間をかけられるのであれば、途中の黒部ダムから黒部湖方面に入り、タンボ平経由、東一乗越を経由してその時々のコースへ向かうというルートが好きです。このルートは完全マンパワールート。二本の足で入ります。後半の雪渓急斜面の登りがつらいコースですが、素晴らしいです
上高地が山スソとしたら、雷鳥沢はずーっと高度をあげた、クライミングのベースキャンプのような場所です。しかし、普通の服装の観光客とクライマーが混在する、ものすごく不思議で楽しいエリアでもあります。ここで数泊滞在すると、世俗離れした気品が身に付くこと請け合いです(^^;;
《アクティビティ》さて、アクティビティとしてオススメなのは、登山。しかし登山とは云っても、剣岳ではなく家族で登るにうってつけの大汝山です。登山経験がないのであれば、剣に向かってはいけません。前剣を過ぎたあたりに切り立った岩壁のバンドをトラバースする場所があるのですが、ここで恐怖のあまり身動きできなくなっている方を見かけたことがあります。それよりも、命の危険がありますので、剣は目的地から外しておいたほうがいいです。
大汝山へは、雷鳥沢から一の越・三の越・雄山を経由して到達します。そして富士の折立、大走り分岐をたどって再び雷鳥沢に戻る、という7~9時間程度の軽いトレッキングです。しかし、このコースがものすごく気持ちいいです。ここで写真撮影して、これはスイスですよ、なんて言っても信じちゃいそうです。
ここを行くのであれば2万五千の地図とは言いませんが、書店の地図コーナーに置かれている山の地図の「立山・剣(5万分の一)」は必携です。そこにコースタイムが記されていますが、これは記述者によって、かなりばらつきがあります。のんびり派を自認して、そのコースタイムの2割り増し~というように、余裕を持ったほうがいいと思います。上記コースであれば、早朝(5時頃)に出発すれば、夕方には戻れます。時間がないのであれば、気持ちのいい乗越(一乗越、三乗越)あたりでお茶&ランチする・・・なんていうのも悪くありません。
帰ったらヒュッテの硫黄の温泉・・・・これがまたキモチイイんですよね。
《その他の装備》
靴:スニーカーではなくビブラム底などの登山靴は必要です。
防寒着:8月でもフリース、ウインドブレーカーは必須です。
軽アイゼン:登山では雪渓をキックステップで登ったりしますが、雪渓未経験であれば、軽アイゼンの装着をおすすめします。
雨具:ポンチョではなく、登山用の雨具は必携です。
サブザック:トレッキング用の行動食、水、地図、雨具などを背負う、小さめのサブザックがあると便利です。
その他:ヘッドランプ、医薬品、行動食、新聞紙など必要な装備
◆雷鳥沢ヒュッテHP
ClubNatureメインはこちら
あなたにおススメの記事
関連記事