寂しい景色
なんたる寂しさ。
最初にこの茫漠とした九十九里の砂浜に立ったときの素直な気持ちだ。波音と風音ばかりが延々と続く見渡す限りに広い砂浜に充ち満ちて、ひとけ無し。人類が絶えた後を思い描くのに、これほど最適な場所もないだろう。
砂浜に座り、遠く太平洋の彼方を見ていると無我になれる。しかし、ここで人生を回顧するよりも、打ち寄せる波に触れながら、同じ海に触れている海の彼方の大陸やあるいは諸島に思いを馳せることが多くなってしまった。
ちょうど今、デンマークでは各国の環境大臣が集う締約国会議(Conference of Parties)「COP15」の真っ最中。地球温暖化による海水面上昇で水没の危機に直面する太平洋の小さな島々が切実な気持ちを訴えている。
ボクなどが「環境を」なんて言ったとしても、それはポーズに過ぎないと感じている。もちろん次世代のために、という思いもあるけれど、やはり年々上昇する海水面に居住区を追われ、やがて住み慣れた島を捨てねばならないと予感したときの気持ちは想像できたとしても、まだまだ生ぬるいだろう。
そういえば実際にダムに沈む村で撮影された「村の写真集」というとても素敵な物語の映画があった。藤竜也、宮地真緒、甲元雅裕、吹石一恵、原田知世、桜むつこなどの渋い俳優陣がキャストをかため、グッと心を鷲づかみされるような感動の物語に仕上がっている・・・
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