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2008年08月04日

SIMONDのピッケル

SIMONDのピッケル

【逸品CLUB №16】SIMOND SuperD


少年の頃、親から譲り受け、17歳頃まで愛用していたピッケルがあります。フランスのモンブラン山群の登山基地として賑わうシャモニーの鍛冶屋・シモン家が手作りしたシモンのピッケルです。

SIMONDのピッケルシモン家がピッケルを作り始めたのは1860年代。アドルフとフランソワの兄弟によって、シャモニーモンブラン登山者のための道具が作られたのが原点といわれています。この初代兄弟の意思を受け継ぎ、1900年代初頭に2代目となったのがクラディウス・シモン。そしてクラディウスの後を引き継いだ3代目、ロジャー・シモンの頃になると、ピッケル、クランポンは手作りではなく量産型になり、ピトンやカラビナまで手広く扱うように。

僕が少年の頃愛用していたピッケルは、シモンのスーパーDというモデル。クラディウス・シモンにより手作りされる貴重なモデルです。

SIMONDのピッケルもともとシモンのピッケルは直線的なデザインでした。スーパーDでも、前期、中期モデルまでは、直線基調で構成されていますが、このスーパーDはカーブが強くなり、ピック(先端)の角度も急になっています。これは後期モデル(モデル5)で、氷の壁に打ち込んで使用することが目的になったための変化ではないでしょうか。昨日のアイスアックスは、両手に持って完全に氷壁に打ち込んで登るため、ピックの形状がさらに急降下のカーブを描いています。しかし、戦前戦後あたりは、このようなデザインのピッケルで氷壁を登っていたのですね。

SIMONDのピッケルこうした微妙なカーブでも、当時としては先鋭登山の道具だったのでしょう。ピッケルは登るだけでなく、滑落した際の制動ツールでもあります。頭から滑落した場合、横に転倒滑落した場合・・・様々なケースで様々な滑落制動テクニックがあります。あるいは、プレートで氷にステップを切ったり、セルフビレイ・確保のためのスノーアンカーとして使ったり・・・かなり便利な道具です。

このような木製シャフトの手作りピッケルは、ひたすら難易度を求めるゲームクライマーが見たら、まったく使い物にならない時代遅れのモデル、と見えるかもしれません。僕自身も、使っていませんでした。「常念山脈に遊ぶ」というblogを展開されている「いまるぷ」さんの記事に“槍ヶ岳のピンバッジ”が登場しました。そこにあったのが、昔ながらのピッケルでした。

年老いたら、そのときは、以前、夜叉神峠で記念撮影した写真をアップしましたが、あのときのようなニッカボッカーにニッカーホース(ソックス)姿で、こうした時代遅れのピッケルを手にして、高低にこだわらず一年中あちこちをのんびりと山旅したいものです。もちろん、ザックは、帆布製の一本締めアタックザック

キスリングは・・・懐かしいけれど、背負いたくありません(笑)


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この記事へのコメント
植村直己さんも生前
このスーパーDというピッケルを
愛用していましたね
まさに名品だと思います
古き良き時代のピッケルですね
Posted by かずや at 2008年08月04日 13:45
1900年代初頭のピッケルということですか!山岳博物館に展示されるべきような代物ではないのでしょうか。
オクで高値がつくのも納得ですね。
Posted by kimatsu at 2008年08月04日 16:44
ユウさん、ありがとうございます。
ウールのニッカーに、裏出し一枚側のアッパーレザーに、
一本締めのザックを背負って、稜線を歩く...
これって、スタイルの問題じゃなくって
根源的な冒険心の問題だと思うのですよ。
もちろん先鋭的な登攀はなされている...
冒険しようというのではない。

普通の登山者は違いますね。
一般ルートをコースタイム見ながら歩く。
でもそこに、山脈開拓期の浪漫が欲しい。
冒険はしないけど、冒険の匂いがする場所にいたい。
う〜ん、ニッカズボン、嫁に縫ってもらいます。
Posted by いまるぷいまるぷ at 2008年08月04日 20:23
★かずや さん★
植村さんの物語は読んだことありましたが、これをつかっていたとは驚きです。

もっと大切にしないと・・・と思いました。
Posted by ユウ_zetterlund at 2008年08月05日 11:27
★kimatsu さん★
そうなんですよね。
一度ヤフオクに出したことがあって、
どんどん金額がつりあがってしまい、なんだか惜しくなって友人に落札してもらいました(^^;;;

これを手に、昔ながらのスタイルで山歩きしようと思います。
Posted by ユウ_zetterlund at 2008年08月05日 11:29
★いまるぷ さん★
そうなんですよね。
自分の責任で立って歩いて・・・というところです(^^

まず入門は5万図かもしれませんが、それを2万5千図にした時点で、コースタイムの呪縛から解放されます。水平距離、高度差から自分なりの予測タイムを割り出しますが・・・こうした小さなことがらでも、開拓期の浪漫を十分に楽しめますし♪

お互い、ニッカスタイルで、山旅しますか?!涸沢で落ち合って、前穂の北尾根をのんびり稜線散歩するのも気持ちいいかもしれません♪
Posted by ユウ_zetterlund at 2008年08月05日 11:36
私、全く山登りには明るくなくて・・・
山登り系の記事に気の利いたコメントできないんですが・・・(^^;

先日初めてマンガの「岳」っていうのを読みまして、、、
山登りの悲痛な現実に思わず涙してしまいました。
なんとなく「山登りの世界って厳しいのかな?でも登頂の喜びは格別なんだろうなぁ」と漠然と考えておりましたがこれほどまでとは・・・
喜びも悲しみも一緒の過酷な世界。
そんな世界を覗いておられるユウさんと、ただ自然があるだけの山に畏敬の念を抱かずにいられません。

主人公の三歩もこんなピッケル(前記事のも)使ってたな~って思わずコメントさせていただきました(^^;
Posted by laglag at 2008年08月05日 23:23
★lagさん★
ほんとうは、ここはキャンプ中心のブログだったのですが、たまに登山的な記事もどうしても入ってしまいます(^^;;
登山はスポーツと違って、以前だと、完全自己責任の世界でしたが、今では手軽に救助を要請するような、観光的な日常の延長になってしまった観があります。

僕も、最近は、難関ルートに挑みたい・・・なんてことはせず、のんびりと山旅派に変りつつあります。

その岳?という作品は知らなかったのですが、山を題材のコミックがあるんですか?!

ちょっと探してみます(^^b
Posted by ユウ_zetterlund at 2008年08月06日 08:18
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