2007年12月14日
マーラーはネイチャーだ
クラシックといえば、なんとなく難しそうで、と敬遠されがちです。
しかし、あれもこれもJ-POPとひとくくりにされているのと同様に、クラシックとひとくくりにされてはいても、そこには実に千差万別の曲があふれています。
恋愛、不倫、苦悩、喜び、自由、戦いなど、あらゆる事柄に題材がとられていて、もちろん僕の大好きな自然を題材にした曲も少なからずあるっていうわけです・・・
スイスアルプスの登山を曲にしたリヒャルト・シュトラウスの“アルプス交響曲”。これは登山の開始から、途中の天候悪化、そして登頂までのストーリーを交響楽に仕上げたもので、本当に楽しく、気持ちよく、そしてある部分は緊張しながら映画を観るように聴くことができます。
映像技術などなかった時代。ある意味、絵画よりもこうした交響曲は、自然の情景や物語を人の心情に伝えるのに最適な手段だったのかもしれません。
日が沈み、あたりが静まる夜になると、どうしても聴きたくなるのがドビュッシーの「月の光」。ベートーベンの「月光」とは違います。「月の光」を聞いていると、そのあまりの美しさに時のたつのさえ忘れてしまうほど。
情景模写に気持ちが実に巧みに織り込まれているんですね。気持ちをそのまま音に託したようでもあります。さまざまな音階が織り成す音楽ってほんとうにすごいです。
この情景模写表現についての興味深い会話があります。
マーラーとブルーノ・ワルターとの間で交わされた次のような言葉です。
夏休みにオーストリアの湖畔の避暑地で作曲をしていたマーラーがブルーノ・ワルターを招待。湖のあまりの素晴らしい景観に感動するワルターにマーラーが言った言葉です。意訳してしまうと、“この景観をそのまま曲にしてありますから、見なくてもいいですよ、むふふ”というわけです。すごい自信です(^^;
こうして生まれたのが交響曲第三番です。
しかし、この交響曲は美しいにも関わらず、あまりにも第一楽章が長すぎてどうも途中で飽きてしまうんです(^^;; 僕の聴き方が気分的なものなので、余計にそうなんでしょうね。で、いつも聞くリストには入ってきません。
いつも聞くのは「交響曲第四番」と「交響曲第五番」のふたつ。四番は冒頭から美しい旋律があふれ出し、飽きることはありません。まるで夢見る心地で聴くことができます。そして何と言っても大好きなのが交響曲第五番。
第五番の第四楽章のアダージョは、僕の中ではクラシックの数ある旋律の中で、ラフマニノフ作曲の“パガニーニの主題による狂詩曲”と同じくらい最も美しい旋律と思っています。ラフマニノフの前出の曲はフジコ・ヘミングのピアノで聴くと涙があふれるほどグッときちゃいますよ(^^; たしか昨年の冬季オリンピックで荒川静香選手が、この曲でスケーティングしたような記憶もあります。
話を戻して・・・交響曲第五番の第四楽章は類まれなる美しさを秘めていますが、ここだけを聴いてしまうと、最高の輝きを発揮してくれないんです。第一楽章から第三楽章まで、第四に続くこの部分があるから第四の感動が際立つんです。
これは登山と同じで、いきなり頂上に行けたら“ただキレイなだけ”というのと似ています。第一から第三までの楽章は、第四を表現するためにマーラーが仕組んだ、とーっても心憎いまでの演出です。雲のはるか上に聳える頂で下に雲海を見下ろす・・・見上げればそこには天体が運行し・・・
まさに、そんな、この世とは異なる別世界への誘いが、交響曲第五番の第四楽章には隠されています。
自然の中でキャンプする悦楽。そして、その自然をドラマチックに音で表現してみせるマーラー。夏休み作曲家だった彼の交響曲には豊かな自然の息吹・ネイチャーがなみなみとあふれています。ぜひ、いちどマーラー体験を!キャンプや自然が大好きであれば、きっと感動を覚えるはずです。
P.S.そういえば、本日の14時からコールマンのシーズンランタン販売開始しましたね。僕はROCKということで、黒は魅力的だったのですが見送ることにしました。ケースのギターのデザインも(――;;ですので(笑)。 今年は、静かでシンプルなキャンプにふさわしく、オイルランタンを新調することにしました。
ClubNatureメインはこちら
映像技術などなかった時代。ある意味、絵画よりもこうした交響曲は、自然の情景や物語を人の心情に伝えるのに最適な手段だったのかもしれません。
日が沈み、あたりが静まる夜になると、どうしても聴きたくなるのがドビュッシーの「月の光」。ベートーベンの「月光」とは違います。「月の光」を聞いていると、そのあまりの美しさに時のたつのさえ忘れてしまうほど。
情景模写に気持ちが実に巧みに織り込まれているんですね。気持ちをそのまま音に託したようでもあります。さまざまな音階が織り成す音楽ってほんとうにすごいです。
この情景模写表現についての興味深い会話があります。
マーラーとブルーノ・ワルターとの間で交わされた次のような言葉です。
You don't need to look.
I have composed to all this already.
I have composed to all this already.
夏休みにオーストリアの湖畔の避暑地で作曲をしていたマーラーがブルーノ・ワルターを招待。湖のあまりの素晴らしい景観に感動するワルターにマーラーが言った言葉です。意訳してしまうと、“この景観をそのまま曲にしてありますから、見なくてもいいですよ、むふふ”というわけです。すごい自信です(^^;
こうして生まれたのが交響曲第三番です。
しかし、この交響曲は美しいにも関わらず、あまりにも第一楽章が長すぎてどうも途中で飽きてしまうんです(^^;; 僕の聴き方が気分的なものなので、余計にそうなんでしょうね。で、いつも聞くリストには入ってきません。
いつも聞くのは「交響曲第四番」と「交響曲第五番」のふたつ。四番は冒頭から美しい旋律があふれ出し、飽きることはありません。まるで夢見る心地で聴くことができます。そして何と言っても大好きなのが交響曲第五番。
第五番の第四楽章のアダージョは、僕の中ではクラシックの数ある旋律の中で、ラフマニノフ作曲の“パガニーニの主題による狂詩曲”と同じくらい最も美しい旋律と思っています。ラフマニノフの前出の曲はフジコ・ヘミングのピアノで聴くと涙があふれるほどグッときちゃいますよ(^^; たしか昨年の冬季オリンピックで荒川静香選手が、この曲でスケーティングしたような記憶もあります。
話を戻して・・・交響曲第五番の第四楽章は類まれなる美しさを秘めていますが、ここだけを聴いてしまうと、最高の輝きを発揮してくれないんです。第一楽章から第三楽章まで、第四に続くこの部分があるから第四の感動が際立つんです。
これは登山と同じで、いきなり頂上に行けたら“ただキレイなだけ”というのと似ています。第一から第三までの楽章は、第四を表現するためにマーラーが仕組んだ、とーっても心憎いまでの演出です。雲のはるか上に聳える頂で下に雲海を見下ろす・・・見上げればそこには天体が運行し・・・
まさに、そんな、この世とは異なる別世界への誘いが、交響曲第五番の第四楽章には隠されています。
自然の中でキャンプする悦楽。そして、その自然をドラマチックに音で表現してみせるマーラー。夏休み作曲家だった彼の交響曲には豊かな自然の息吹・ネイチャーがなみなみとあふれています。ぜひ、いちどマーラー体験を!キャンプや自然が大好きであれば、きっと感動を覚えるはずです。
P.S.そういえば、本日の14時からコールマンのシーズンランタン販売開始しましたね。僕はROCKということで、黒は魅力的だったのですが見送ることにしました。ケースのギターのデザインも(――;;ですので(笑)。 今年は、静かでシンプルなキャンプにふさわしく、オイルランタンを新調することにしました。
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Posted by ユウ_zetterlund at 14:20│Comments(6)
│【アウトドア遊び】
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この記事へのコメント
おひさしですm(__)m
マーラーに反応しちゃいました(^^)
確かに3番長いですよね(笑)コンサートでも休憩がなく一気に演奏されてトイレキツってなりました(笑)
私は5番も好きですが二番の復活が一番好きですね(^^)
キャンプ場へ向かう車で大自然を走行するときにはよく聞いてます♪
マーラーに反応しちゃいました(^^)
確かに3番長いですよね(笑)コンサートでも休憩がなく一気に演奏されてトイレキツってなりました(笑)
私は5番も好きですが二番の復活が一番好きですね(^^)
キャンプ場へ向かう車で大自然を走行するときにはよく聞いてます♪
Posted by piyosuKe-papa at 2007年12月14日 16:31
★piyosuKe-papaさん★
ほんとーにご無沙汰です!ようやく先週あたりから落ち着きつつあります。
でも、マーラーにコメントだなんて、嬉しすぎです!papaさんも、マーラーを聞いていたなんて、これも嬉しいです! 二番は第二楽章が好きです。今度キャンプに向かうときに二番を聞いてみる事にします(^^♪
ほんとーにご無沙汰です!ようやく先週あたりから落ち着きつつあります。
でも、マーラーにコメントだなんて、嬉しすぎです!papaさんも、マーラーを聞いていたなんて、これも嬉しいです! 二番は第二楽章が好きです。今度キャンプに向かうときに二番を聞いてみる事にします(^^♪
Posted by ユウ at 2007年12月14日 22:16
マーラーの5番の第4楽章の華やかさ、いいですよね♪私も好きです。
ブルックナーの4番とともに私のiPodのクラシックカテゴリーのヘビーローテーションです。
ブルックナーの4番とともに私のiPodのクラシックカテゴリーのヘビーローテーションです。
Posted by kimatsu at 2007年12月17日 08:55
わたしも昔の赤いランタンを探すことにしました! でも高いです こうなったら少しぼろくてもいいかなあ
Posted by fumi at 2007年12月17日 08:58
★kimatsu さん★
ほんとうーにすみません! コメントにレスしていないの今気付きました!
kimatsu さんもマーラー聞かれるんですね。マーラーは夏休みのようにわくわくできますもんね(^^
ほんとうーにすみません! コメントにレスしていないの今気付きました!
kimatsu さんもマーラー聞かれるんですね。マーラーは夏休みのようにわくわくできますもんね(^^
Posted by ユウ at 2008年05月28日 19:19
★fumiさん★
fumiさん、ほんとーにごめんなさい!半年も気付きませんでした!
fumiさん、赤ランタン、手に入れたんですか!?
fumiさん、ほんとーにごめんなさい!半年も気付きませんでした!
fumiさん、赤ランタン、手に入れたんですか!?
Posted by ユウ at 2008年05月28日 19:21
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