ClubNature　ダイジェスト版

★country life：№5★

僕の住む地域ではここ一週間ほど田植え週間です。

先週、早朝6時の集落の放送で田に水を入れることを告げてから数日後。朝早くから目の前の田に人が集まって水門を開けていました。乾いた田に水がざばざばと音を立てて流れ込みます。その日以来、なみなみと水を湛えた田んぼではカエルが盛んに鳴き、時に風が吹くたびにさざ波たってきらきらと光ります。

そして本日。朝6時の集落の放送に目覚め、いつものように外に出ました。目の前の田んぼには鴨がのんびりと餌を探して浮かんでいます。



しばらくその長閑さを楽しんでいると、けたたましいエンジン音が近づいてきました。田植え機とでも言えばいいのか・・・とことこと愛嬌ある速度でかわいらしい乗り物が通り過ぎました。



ハーメルンの笛吹き男に付いてゆく子供ではありませんが、僕はその後をつい追ってしまいました。すると道の先では何台もの田植え機、軽トラック・・・それに呼び名も機能もわからない、初めて目にするかわいらしい農耕作業車がいっぱいです。



そのうちの一人にいろいろ話を聞くと、ここの米は7月末には収穫できることや、地元でもめったに手に入らない貴重な米であることなどを教えてくれました。じゃあこのお米はどこに行くのでしょう。答えは都内の有名料亭。独特の食感は知る人ぞ知る、という類のものらしく、これを味わえるのは高級料亭に集う人たちとのこと。

機会があれば、収穫して精米するときに手に入れることにしましょう。



この方は、僕がデジカメを構えると「これでいいかい」とトラックの横に立ってくれました。パチリ！　一枚撮影すると、とたんににっこり笑顔になって作業に戻っていきました。ありがとうございます。なんとなくこのほうが感じがでるかな、と思ってデジカメのモードをモノクロにして撮影しました。



今は月明かりの下、田んぼは植えられたばかりの稲がか細い影を作っています。やがてすくすくと育って、夏を迎える頃になると稲穂を垂れることでしょう。楽しみです。




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