ClubNature　ダイジェスト版

何事も挑戦あるのみ、ということで、知識も経験も何もないというのに、初めて燻製にチャレンジしてみました(^^;;

気持ち的には、秋田の“いぶりガッコ”と同じだろう、程度で、テキトーに実行する。そういえば学生時代にお世話になった東北の山村の藁葺き古民家でも釣り上げた岩魚を囲炉裏の上で煙で燻（いぶ）していました・・・

翁は猟を生業としており、庭先には熊や兎や鹿や・・・そのほかいろいろな動物の皮がなめしてありました。彼に言わせると兎の頭がいちばん美味いのだそうです。兎の頭をそのまま煮込んで、茹で上がったら頭蓋骨をばらして中身を食べるのだそうです。

実際それがどんなものなのかはよくわからないのですが、目玉もしゃぶるほど美味しいんだと笑う口元の欠けた歯の間からは赤い舌先がちろちろ。そういえば、囲炉裏の上にはイワナ以外に皮を剥いだ兎も燻されていました。飴色になった裸の兎はけっこうグロテスクです。

僕はイワナを塩焼きにして食べるのがいちばん美味いと思っていましたが、翁にいわせれば、川魚は生臭くて食えたものではない、とのこと。魚は海水魚がいちばん美味くて、川魚は燻製、というのが翁の方法です。

エラとハラワタを取り、塩水に漬け、その後、囲炉裏の上に吊り下げます。初めて見る燻製の過程でした。僕は、この時の知識しかないのに、無謀にも燻製つくりにチャレンジしました。問題はどうやって燻製にするか、です。自宅には囲炉裏なんてものはありません。そこでアウトドアショップで燻製器を観察。スチール製の岡持ちのようなものが燻製器として売られていました。その傍らにはダンボール製のものも・・・

なるほど、煙を閉じ込めればいいのか・・・とそんな思いつきだけで、向かった先はスーパー。廃棄物置き場を眺めるとダンボールの山。これだこれだ、と物色していると、キラキラ光る金属を発見。それは煎餅が入っていた一斗缶（いっとかん）です。これならスモークチップを中に入れてガスレンジにのせれば、そのまま燻製器になる、というのが理由。

一斗缶に千枚通しで穴を開け、そこにバーベキューの金串を刺して網をセットした、即席の燻製器。

で、スモークチップだけを買って自宅に帰り、燻製器の試作に取り掛かる。バーベキュー用の金串を二本通してその上に金網をセット。金網の上に燻製にする食材を乗せて煙をだせば燻製できる、というわけです。

最初に作ったのが、汁気をきったツナ缶のツナ。ホイルで作った皿にツナを乗せ、それをセット。最初に強火で煙を出して、後は弱火で30分。開けると・・・なかなかいい色に燻（いぶ）されているではないですか！　味見をしてみると・・・ん！・・・絶品！

ツナを30分、弱火で燻製にしたら・・・こんなにいい色になりました！

調子に乗って、次はゆで卵。これは強火で急ぎすぎたためマダラになってしまいました。でも食べてみると・・・これまた絶品です！じゃあ、ということで、おつまみコーナーでよく見かけるイカの燻製ことイカクンにチャレンジ。

冷蔵庫にあったイカ二杯を開いて、扇風機で乾燥させること30分。塩を適量振りかけて、そのまま燻製器の網の上に・・・で、３０分。フタをあけると、そこには見事に飴色に色づいたイカの燻製が姿を現しました！

初めて、それも何の知識も経験も無い人間が作ったとは思えぬほどの燻製ができあがりました。おまけにうまいのなんの・・・

これは、マヨネーズとともに皿に盛って、焼酎のお湯割りでアツアツをいただきました♪燻製って、こんなに簡単にできちゃんですね。病み付きになりそうです(^^

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